建物の防犯性や防災性を高めてくれるシャッター。
窓やガレージにシャッターを取り付けるだけでも、空き巣や強盗、自然災害のリスクを大幅に軽減できます。
近年では、網戸や雨戸よりも人気を集めているシャッターですが、具体的な構造を知っている方は意外と少ないです。
そこでこの記事では、シャッターの構造と各パーツの役割、よくある故障原因と対処法について詳しく解説していきます。
シャッターの構造はシャッターの種類で変わる
シャッターには、大きく分けると以下2つの種類があります。
・手動シャッター
・電動シャッター
それぞれで構造や内部パーツが異なりますので、まずは各シャッターの特徴からおさらいしておきましょう。
手動シャッター
手動シャッターとは、昔から流通しているタイプのシャッターです。
その名の通り、人の手でシャッターを開閉します。
シャッターをその都度上げ下げするため、若干負担はかかってしまいますが、その分電動シャッターに比べて低コストであり、リモコンやアプリをはじめとする電子機器が故障する心配もありません。
電動シャッター
電動シャッターとは、電動で開閉できるシャッターのことです。
開閉時に体力を必要としないため、高齢者の方でも使いやすいといえます。
また、リモコンやアプリを使って遠隔操作を行うこともできますので、利便性を重視している方には特におすすめです。
手動シャッターの構造と各パーツの役割
では次に、手動シャッターの構造と各パーツの特徴について詳しく見ていきましょう。
スラット
スラットは、シャッターのカーテン部分を形成する部材です。
シャッターケースにコンパクトに収めるため、蛇腹状になっています。
シャッターには欠かせない重要なパーツですので、長く使い続けるためにも適切に管理をしなければなりません。
内外錠
内外錠とは、スラットの真ん中付近にあるシリンダー鍵のことです。
鍵がついているスラットは「めくらスラット」と呼ばれることもあります。
玄関や車の鍵と同じで、外側から鍵を差し込んで回すと内側でラッチが広がり、ガイドレース内でストッパーが効く仕組みになっています。
鍵穴は鉄でできていることがほとんどであり、サビが発生しやすいため、定期的にメンテナンスをしておかなければなりません。
プーリー
プーリーは、シャフトの両脇に取り付けられている円盤状のパーツです。
滑車としての役割を果たす重要な部分であり、滑らかな開閉動作と操作負荷の軽減を担っています。
プーリーは、吊元に固定して使用しますが、きちんと設置しておかないと開閉がうまくいかなくなる場合がありますので注意しましょう。
スプリングシャフト
スプリングシャフトとは、手動シャッターにおける動力部のことです。
このパーツのおかげで、数十キロほどあるスラットを楽々持ち上げられるようになります。
ただ、バネで構成されているパーツですので、時間の経過とともに劣化していきます。
「シャッターが何となく重たい気がする・・・」
という場合、スプリングシャフトが劣化している可能性がありますので、一度点検してみましょう。
座板(水切り)
座板は、スラットの最下部についているパーツです。
断面がT字になっているのが特徴的ですので、比較的わかりやすいと思います。
外部から侵入する水を防ぐ役割を持っていることから、水切りと呼ばれることもあります。
構造上、雨や泥が付着しやすくサビが生じやすい部分ですので、定期的にメンテナンスを行わなければなりません。
座板は交換可能なパーツですが、そのためにはスラットをすべて外す必要があるため、DIYでの取り替えは困難です。
ガイドレール
ガイドレールは、シャッターの左右に設置されている部品です。
開閉時にシャッターのスラットがずれないようにサポートする役割を担っています。
そんなガイドレールは、目視できる場合と埋め込まれている場合がありますが、いずれも単体での交換は不可能です。
ゴミが溜まっていたり、サビていたりするとスラットの動きが悪くなり、不具合や故障に繋がることもありますので、こまめに掃除をしましょう。
軸受
軸受は、その名の通りシャッターの軸を支えるためのパーツです。
全体を支える重要なパーツであり、破損するとシャフトやスラットが落下する恐れがあります。
そんな軸受は、シャッターケース両脇にある「ブラケット」の中に設置されています。
ラッチ
ラッチは、シャッターが閉じている状態を保持するためのロック機能です。
シャッターの片側もしくは両側に取り付けられています。
ラッチに不具合が生じると、シャッターが自然に開いてしまい、侵入しやすくなるため注意が必要です。
中柱
中柱は、シャッターのカーテン部分を支え、安定性を向上させるために用いられる部品です。
間口が広いシャッターは、1枚のスラットでは長さが足りないケースがあります。
そんなときに役立つのが中柱です。
中柱を活用して2枚以上のスラットを連結することによって、スラットが曲がったり、ねじれたりするのを防いでくれます。
中柱は取り外しが可能であり、シャッターを上げているときは外して保管しておくのが一般的です。
吊元
吊元は、シャッターを支えて動きをサポートするためのパーツです。
スラットとスプリングの接続部分でもあり、メンテナンスが簡単に行えるようにかみ合わさって接続されています。
このかみ合わせが緩くなると、スラットが外れてしまいますので注意が必要です。
シャッターケース
シャッターケースとは、スラットを収納しておくためのパーツです。
肉眼で確認できる「露出納まり」と、天井に組み込まれている「天井納まり」の2種類があります。
見栄えを気にしない場合は露出納まりで問題ありませんが、美観を向上させたい場合は天井納まりがおすすめです。
ただし、天井納まりは天井に穴を開けたり、空間を確保したりする必要があるため、導入時やメンテナンス時に高額な費用がかかります。
電動シャッターの構造と各パーツの役割
では次に、電動シャッターの構造と各パーツの役割について詳しく見ていきましょう。
モーター(開閉機)
電動シャッターの心臓部分ともいえるのが、モーターです。
モーターの動力を使ってスラットの開閉を行いますので、この部分に不具合が生じると使い物にならなくなります。
モーターは、コントローラー不良やヒューズの溶断、コイルの断線などで故障してしまうことがありますので、定期的に点検を行うことが大切です。
ローラーチェーン
ローラーチェーンは、モーターが発した動力を巻き取りシャフトに伝えるためのパーツです。
つまり、シャッターの開閉にはモーターとローラーチェーンの連携が必要ということです。
モーターが動いているのにシャッターの開閉ができない場合、ローラーチェーンが摩耗している可能性があります。
リミットスイッチ
リミットスイッチは、シャッターの上限や下限を設定しているパーツのことです。
「シャッターが完全に上がり切らない」
「シャッターが完全に閉じない」
という場合、リミットスイッチに不具合が生じている可能性が高いといえます。
不具合や故障が生じている場合、簡単な調整で済む場合もありますが、基本的には交換が必要です。
軸受けブラケット
軸受けブラケットは、シャッターケースを支えるためのパーツです。
スラットの近くに設置されているため、スラットが傾いた状態で使用すると軸受けブラケットに接触し、故障や不具合に繋がりますので注意してください。
巻き取りシャフト
巻き取りシャフトは、シャッターを巻き取るための軸のことです。
プーリーを回転させて吊元を引っ張り、スラットを巻き取るという仕組みになっています。
ちなみに、巻き取りシャフトはスプリング中央に差し込まれる形で設置されています。
安全装置
安全装置は、巻き込み事故などを防ぐためのパーツです。
障害物を検知したときに自動で下降が止まる仕組みになっています。
安全装置にはセンサーが使われていて、受光部の電源は乾電池によって供給されています。
正常に作動しなくなったときは、電池切れの可能性がありますので一度チェックしてみてください。
まぐさ
まぐさは、ブラケットの下部に設置されているパーツです。
この部分はスラットが通る場所でもあり、シャッターケースの形を維持するための役割を担っています。
シャッターボックス側についている場合は「外まぐさ」、内側についている場合は「内まぐさ」と呼ばれます。
構造から知るシャッターの故障原因と対処法
シャッターの構造を理解することは、故障原因と対処法を知る上で物凄く重要です。
以下、よくあるシャッターの故障原因と対処法について、詳しく見ていきましょう。
スプリングシャフトのバネが弱まっている
スプリングシャフトのバネが弱まっている場合、反発力が弱まっている可能性が高いです。
基本的に、1回目はスプリングの巻き直しで改善します。
ただ、2回目以降はスプリングを巻く余裕がなく、劣化も進んでいる状態となっているため、交換をするのがおすすめです。
スラットがボックス内で干渉している
スラットがボックス内で干渉している場合、シャッターボックスから異音が発生することがあります。
ただ、その他のトラブルが同時に発生しているケースもありますので、一度専門業者に依頼して点検してもらうのがおすすめです。
中には、シャッターボックスの異音を放置してしまう方もいますが、さらなるトラブルを引き起こす可能性が高くなりますので、できるだけ早く業者に相談しましょう。
安全装置の電池が切れている
「電動シャッターが動かない・・・」という場合は、安全装置の電源が切れていないかどうかを確認してみてください。
先ほども解説したように、安全装置のセンサーは乾電池によって動いているため、乾電池が切れると使えなくなります。
電池を交換すれば正常に動くことが多いため、まずは試してみてください。
それでも動かない場合は、専門業者に修理を依頼しましょう。
スラットレール・ガイドレールが歪んでいる
シャッターは、工場やガレージに設置されることも多いです。
そのため、車やフォークリフトをぶつけて歪んでしまうケースがあります。
残念ながら、スラットが歪んでしまった場合、自分でできることはほとんどありません。
間違った方法で修理してしまうと、状態が悪化する可能性がありますので、専門業者に連絡を入れましょう。
また、専門業者に見てもらうまでは極力開閉を控えるのがおすすめです。
無理に力を入れると、中の昇降機構を壊してしまう可能性がありますので注意してください。
シャッターの故障・不具合なら「オールシャッターサービス」にお任せください!
シャッターの構造を正しく理解することによって、故障や不具合の原因を解明しやすくなります。
ただ、原因が分かったところで技術と知識がなければ修理は行えません。
そんなときは、オールシャッターサービスにご相談ください。
弊社は、全国でシャッター修理を行っている専門業者であり、手動・自動問わずあらゆるシャッターの修理に対応しています。
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お見積もりやご相談は完全無料となっていますので、お困りの方はお気軽にお問い合わせください。
まとめ
住宅やガレージ、店舗や倉庫などの安全性と防犯性を維持、向上させてくれるシャッターは、非常に複雑な構造となっています。
手動・自動によって若干内部構造が変わりますが、基本的な構造を理解しておくことによって、不具合や故障が発生した際に原因を突き止めやすくなります。
ただ、原因が分かったからといって簡単に修理が行えるわけではありません。
専門知識と技術がない状態で修理を行うと、状態が悪化したり、二度手間になったりすることもありますので、スムーズにシャッターの不具合や故障を改善するためにも、まずは「オールシャッターサービス」にご相談ください。